BLだけど妻帯しています。『アラビアン・タブー (ジュネットコミックス ピアスシリーズ)』乙里玲太朗 『愛を棄てた金糸雀 (幻冬舎ルチル文庫)』犬飼のの 『ED王子、はじめての。 (G-Lish comics)』三雲譲 ネタバレレビュー
『アラビアン・タブー (ジュネットコミックス ピアスシリーズ)』乙里玲太朗
アラビアン・タブー (ジュネットコミックス ピアスシリーズ)
- 作者: 乙里玲太朗
- 出版社/メーカー: マガジン・マガジン
- 発売日: 2015/09/30
- メディア: コミック
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『愛を棄てた金糸雀 (幻冬舎ルチル文庫)』犬飼のの
- 作者: 犬飼のの,笠井あゆみ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2016/04/15
- メディア: 文庫
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「ああ、子孫が絶えた」
『ED王子、はじめての。 (G-Lish comics)』三雲譲
- 作者: 三雲譲
- 出版社/メーカー: ジュリアンパブリッシング
- 発売日: 2016/04/18
- メディア: コミック
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オメガバースはSFかファンタジーか?1『つがいの掟 ~オメガバース~』佐倉井シオ『兎は月を望みて孕む』雛宮さゆらネタバレレビュー
『つがいの掟 ~オメガバース~ (ビーボーイスラッシュノベルズ)』佐倉井シオ
つがいの掟 ~オメガバース~ (ビーボーイスラッシュノベルズ)
- 作者: 佐倉井シオ,白崎小夜
- 出版社/メーカー: リブレ出版
- 発売日: 2015/12/18
- メディア: 新書
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「私の子を、孕めばいいのに」
財界を牛耳る一族の跡取りを父に、花街の女を母に持つ邦彦は、一族の広大なお屋敷の片隅でひっそりと生きてきた。
だが、両親が急逝し、それまで写真でしか知らなかった義理の兄、康晴に保護されることに。
ところが、康晴に会った瞬間、邦彦の体には異変が…熱くて太い男のそれで後孔を突かれたい、激しくぐちゃぐちゃにされたい…!
交わった経験などないのに、心を無視して体が男を―康彦を狂おしいほどに求めはじめ…!?佐倉井シオさんのデビュー作だそうです。
『兎は月を望みて孕む (ラルーナ文庫) 』雛宮さゆら
- 作者: 雛宮さゆら,虎井シグマ
- 出版社/メーカー: 三交社
- 発売日: 2015/12/21
- メディア: 文庫
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薬師屋を営みながら星見の技を磨いている悠珣。星見としては未熟だが、二郎真君という神に溺愛されていた。
そんな悠珣は、発情期になると男たちを惹き寄せ愉悦を貪らずにはいられない癸種。そしてそれは甲種のつがいが現れるまで続くという。
ある年、新皇帝が即位した。金狼族の皇帝燁月は挨拶に訪れた悠珣を目にするなり運命の相手と見抜き、王宮に攫っていってしまう。
だが、子を孕める真のつがいとなるためにはある儀式が必要で……。
『おこってないならこっちむいて』かさいちあき 感想(ネタバレあり)
おこってないならこっちむいて (バンブーコミックス Qpaコレクション)
- 作者: かさいちあき
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2015/09/25
- メディア: Kindle版
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顔良し、タッパあり、でっかいワンコみたいで女子に人気の同級生・優。
そんな奴に懐かれてまんざらでもないっていうか、優越感を感じている俺。
TPO構わないトモダチ以上?の愛情表現が心地よくて、気づけばドキドキしてしまっているけど、男同士で、友達で、こんな関係、おかしいはず!!なのに―――?
『宿敵ーライバルー』なぜ男同士に萌えるのか
- 作者: バーバラ片桐,Ciel
- 出版社/メーカー: 海王社
- 発売日: 2015/04/28
- メディア: 文庫
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伊勢谷と家入は、学生時代のロボットコンテストからの宿命のライバル。受けの伊勢谷は「努力・友情・勝利」を体現したようなチームを組んでのバトルをします。特に、自分も才能があるが、友人たちの才能も生かしたチームプレイを得意とするタイプ。
美人な伊勢谷は気が強く、傲岸不遜な家入に対抗心を燃やしていた。
しかし、ある事件から家入と体を重ねてしまう――。
大会社の御曹司である家入は卒業後海外へ留学したため、その後会うことはなかったが、
あれから10年、地元企業に勤める伊勢谷の前に、家入は現れた。
「おまえのために、この会社を買収した」
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2016/04/22
- メディア: Blu-ray
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- 作者: ドストエフスキー,千種堅
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1979/07/03
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何度でも繰り返される問い
「進化するBL文化 腐女子のモヤモヤが、「偏見」取り去るヒントに」
http://withnews.jp/article/f0160504001qq000000000000000G00110101qq000013368A
読んでみて、女のBL好きがゲイとBLを消費する行為に対する問いかけは、BLが存在する限り、何度でも繰り返されるんだろうなと思った。ただ、原罪とかではなく、女が主体になってポルノや恋愛小説や漫画を生産したり消費したりする行為につきまとう罪悪感なのか、女として逸脱してしまったとか、ゲイを差別してないか、BL好きの女は何を見ているのか、そんな問いかけは、個々人によって自分なりに答えを出していくしかない。
百人百萌えのように、BL好きとしてどんな世界が見えているのか、自分にしかわからないからだ。
LGBTに関する本を読んでみるのも、いい刺激になります。どんな問題を抱えているのか、BL好きの女として自分が見ている世界との齟齬や、用事用語を知るだけでもかなり違ってくるはず。
すでに自分なりに答えを出している人には、最新の情報として、まだ迷っている人にはヒントとして、いろいろな役割を果たしてくれるはずだ。
LGBTに関しては、同じ職場になったり、大学で知り合ったり、同じ世界で暮らす隣人なのだ。
だからこそ、後ろめたさでBLを消費するのを止めることはない。自分が誠実に問題と向かいあって答えを出す方が、重要だからだ。
- 作者: イヴ・K.セジウィック,Eve Kosofsky Sedgwick,上原早苗,亀沢美由紀
- 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会
- 発売日: 2001/02
- メディア: 単行本
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- 作者: イブ・コゾフスキーセジウィック,Eve Kosofsky Sedgwick,外岡尚美
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 1999/06
- メディア: 単行本
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この辺りも読んでおきたい。
お仕事BLなら、男だらけの職場で熱い絆で結ばれた男に排斥されながら、腹を立てたり悔しくなったり、もう男の輪から女の方を向くなという怒りと、恋愛も全て男同士で済ませてくれというストレスが、BLに向かわせるのだなとしみじみ実感している。ホモ・ソーシャルはホモ・セクシャルを排除することで成立するのだが、その輪に入れない私には、どうもホモ・ソーシャルがホモ・セクシャルに見えてしまう。BLで何度も世界を再構築しているのだと思う。
BL好きが居るということ
私はギリシャ音楽が好きだ。なので、日本で入手できないCDは、ギリシャのショップで通販するしかない。とても大変だ。
では、海外のBL好きは、どうやってBLを楽しんでいるんだろう? どうやって、購入しているのだろう?
有名どころのフランスやドイツ、アメリカなどにはAmazonがあるので、なんとなくわかる。だが、その他の地域は?
とりあえず、Twitter上でひたすら探してみた。locationに住んでいる国を書いている人はそんなに多くないが、それでも結構、集まった。それでも、まだ中東は少ないままだし、アフリカ大陸の国々のBL好きも見つからないままだ。
女のBL好きが存在する条件をざっくりまとめてみた。
- 自分が住んでいる国や地域をプロフィール欄に書けること
- 自国、もしくは近隣の国で開催されるイベントに参加したいなど発言できること
- 好きなカップリングなど発言できること
- BL好きの女が書き手、読み手として交流できること
- DMなどではなく、また鍵をかけなくても、好きなカップリングについて発言できること
もっと条件があると思うが、だいたいこのような条件が揃えば、BL好きが存在すると思う。特に女であることを表に出して、発言し交流できることが重要。隠れなければならないのは、存在しないのと同じなのだ。
- 作者: 大城房美
- 出版社/メーカー: 青弓社
- 発売日: 2015/06/13
- メディア: 単行本
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- 作者: 西村マリ
- 出版社/メーカー: 青弓社
- 発売日: 2015/07/23
- メディア: 単行本
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中東の王子がBLをごそーっと買っても、その国の女たちがBLをそれなりに安全に楽しんで交流できなければ、やっぱり存在しないのだと思うよ。
人魚は愛を謳う ~ドラゴンギルド~ 感想(ネタバレ含む)
2013年デビューの鴇六連さん。骨太なファンタジーを書かれます。
ザ・大人のための残酷童話。今作で3作目になりますが、この本からでも読めるそうです。
- 作者: 鴇六連,沖麻実也
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2016/04/28
- メディア: 文庫
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竜を束ねる竜結社で目覚めた半人魚のメルヴィネは、記憶を失っていた。だが、初対面のはずの美貌の水竜・サロメはなぜか自分に執着し、執拗に側に置こうとしてくる。傷を負ったメルヴィネを治療と称して何度も組み敷いてくるサロメ。甘い巣に囲われる日々のなか、竜結社に猟奇的事件の調査依頼が来た。その手伝いをきっかけに、メルヴィネは自身の使命を思い出す。それは“サロメをこの手で殺める”ことで…。孤高の水竜×記憶喪失の人魚の運命的恋愛譚!
内容(「BOOK」データベースより)
美貌の水竜サロメ、実に優雅で物腰も柔らかく、優しい性格をしています。問題児が多いドラゴンギルドの中で、シリーズを通してずっと癒し系。
対して受けの雄の人魚メルヴィネは、優しすぎるサロメに迫られながらも、優雅できれいな竜に迫られてちょっと怖いと腰が引き気味。とりあえず、記憶喪失で不安でも、お世話になってるドラゴンギルドでバトラーとしてせっせと働きます。とっても働き者です。
カタパルトに降下してきたドラゴンを防護服を着てデッキブラシでゴシゴシ洗うお仕事シーンは1作目に詳しいですが、ファンタジーとスチームパンクが混ざったような不思議な世界を構築しています。
こういうシーンを思いつくあたり、今までの読書経験とは違う何かを予想させます。
人魚は雌しか居ない設定で、子供を得るために性交をした後は相手を食べてしまうという残酷設定です。
セイレーンの伝説や、人魚の肉を食べると不老不死になる伝承などが、うまくミックスされて、大人のための残酷童話っぷりに深みを与えてます。
メルヴィネが人魚たちに育てられているシーンが冒頭に出てきますが、幼く少女のような振る舞いの彼女たちを「守る対象」として見ているような部分も。
少女のような母親というのは、BL小説で不安定な存在として扱われてきた部分もありますが、ここもポイント。ラストに奪還した母親の骨とメルヴィネの会話から、実は守られていたと思っていたのはメルヴィネの方で、親離れしていく様子が描かれています。
実は親離れできていない息子が母親に諭されて自立するパターンというのは、BL小説ではじめて読みました。多分、まだまだBL小説を多く読んでないからかもしれません。
BL小説の「健全な育成歴から外れて不幸だと感じている」攻めか受けが恋愛で結ばれ、家族から独立するというパターンとは違う。円満な自立というのが面白く、この部分を長く書いてしまった。
- 作者: 鴇六連,沖麻実也
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2015/02/28
- メディア: 文庫
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DT火竜×魔女。1作目。好きです、DT攻め。シリーズの中で一番ドラゴンをゴシゴシ洗ってる。お仕事描写が楽しい。
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- 作者: 鴇六連,沖麻実也
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2015/07/01
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ドラゴンギルドが結成された話。黒猫のリーゼ君が受け。身体の大きな強い魔女がとにかく印象的だった。
3作目だけ読んでも面白いらしいですが、最初から読むとバトルシーンで他の竜たちやバトラーの働きぶりのわくわくと、鴇六連さんの成長ぶりも楽しめます。