BL思考の種

BLlogiaの管理人がだらだら書くBL小説やBL漫画のレビュー

『おこってないならこっちむいて』かさいちあき 感想(ネタバレあり)

戦う男たちの絆と恋人同士の男の絆って、区別がつかないというか、男同士が至上ならこっち見るな、という話で盛り上がって前回の記事を書いていたら、区別をつけて書いているBL漫画があったなということで、取り上げてみました。

顔良し、タッパあり、でっかいワンコみたいで女子に人気の同級生・優。
そんな奴に懐かれてまんざらでもないっていうか、優越感を感じている俺。
TPO構わないトモダチ以上?の愛情表現が心地よくて、気づけばドキドキしてしまっているけど、男同士で、友達で、こんな関係、おかしいはず!!なのに―――? 
バドミントン部の大希と美術部の優、運動部と文化部という高い壁がそびえる高校生の青春真っ盛り。
運動部は戦います。バドミントンだって、戦いのために日々スマッシュ。
バドミントンばかりやってる訳ではないです。2人でひたすらスキンシップが高じて好きという気持ちにたどり着く甘い青春ものです。
優がスポーツをテーマにしたポスターを作成しようとバドミントン部を訪れたら、大希が練習に打ち込んでいる時の顔が見たことのない笑顔で、部員とハグしたりしてるのを見て、その笑顔が欲しいのにと歯がみするシーンが印象的です。
体育館の観客席はNTR席と呼びたくなるのを前回の記事で書きましたが、ここで優が大希を見つめる場所がまさにそんな位置。
バドミントンをしている大希は、ダブルスだろうとシングルだろうと、常に相手に夢中で、ただ見ているだけの優は寝取られ続けるしかないという悲しき現実。
それがきっかけで作ってしまうのが、2人だけの結婚部
結婚部の活動は、学校が終わってからどっちかの家でねー。ここで出現するのが、公私の壁。結婚部はプライベートな場でしかできないんです。
ウォールマリアなんて、この壁にしたら、脆いもろい。
公私の壁は超大型巨人の蹴りでも、鎧の巨人タックルでも破れません。だって、心にあるんだもん。

はじまりからして、高校を卒業したら忘れられてしまいそうという優のセリフが印象的です。
高校時代の儚さを実感しているなんて、刹那を生きろよ若人よ、なんて言えない悟りっぷり。
本番の穴ってどこの穴と言ってヘソに突っ込もうとする性的に何も知らないとは思えない。
ヘソというか、腹筋は大好物なので増えて欲しい!

何気な〜く、越えられない壁を意識して恋を高校生活に入れるには、という時に読んでみたい。
2本目に入ってる穴キューピットはビターです。これもオフィスラブをつなぐ男子高校生という、入れなさがあるんですね。