BL思考の種

BLlogiaの管理人がだらだら書くBL小説やBL漫画のレビュー

オメガバースはSFかファンタジーか3 『さよなら恋人、またきて友だち (オメガバース プロジェクト コミックス)』yoha

オメガバースの世界で、大人のおもちゃとしてのバイブは、きっとアルファを連想させる商品が多いんだろうなあ。入ったら抜けない、アルファらしい絶倫と太さなど、ザ・アルファみたいなの。オメガのフェロモンを完全再現したパフュームなども、いろいろ売られていそうです。「オメガのフェロモンで恋をゲット!」そんな広告が雑誌とかに掲載されてるんだろうなと。いろいろ妄想していた時のBGMがこのユニットでした。

Anthologio - Omega Vibes

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The Digital Collection: Omega Vibes

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海外の有料配信サイトでも揃わなかった楽曲が、アルバムに入ってる!

不思議の国の男子 (河出文庫)

不思議の国の男子 (河出文庫)

そんなことを考えるきっかけがこの本だっただけです。男子高校生が、雑誌をめくるたびに出てくる包茎の広告にわいわいガヤガヤお互いの悩みを語り合うシーンの多さが何とも言えん。男子高校生も大変なんだなー。

『さよなら恋人、またきて友だち (オメガバース プロジェクト コミックス)』yoha

BLには2つある。男の集団のマウンティングに性を使うものと、男2人の恋愛に問いを含ませるものだ。(CV:『ワールド・ディストラクション』のトッピー)

男子寮の玩具 (Dariaコミックス)

男子寮の玩具 (Dariaコミックス)

『男子寮の玩具』などは、だいたい支配者の攻め、モブ、底辺に落とされた受けという構造で1〜2巻まで話が進んでいました。
秩序を保つための生け贄として、性が利用されていました
『さよなら恋人、またきて友だち』は帯の「皆が妊娠させたい男子」という煽りの通り、季節外れにアルファのクラスに転入してきたオメガを取り合う壮絶な戦いが行われます。
転入してきたオメガには、初恋を実らせたいという目的があったのですが、周囲のアルファが勝手に発情して、秩序の破壊者という立場に置かれます。
オメガのフェロモンによって、アルファの兄にレイプされ堕胎を経験するなどの過去があり、ここでも家族の破壊者にもなるわけですが、群れから弾かれたのは兄です。
秩序の破壊者としての生き辛さを抱えたオメガと、アルファの集団をまとめようとする攻め。そして、協定ともいえる秩序を破壊したアルファへの制裁として攻めがとった手段がレイプです。ここでのレイプはマウンティングとしての意味があります。
集団というか、群れを制御するために性を制限したりはありますが、マウンティングとして性を利用するのは珍しい。
ベータの恋人が反撃にオメガの狩りを手引きしたり、かなりどろどろ。
他のアルファの言い分は、「攻めがものにはしないから」的な内容。
どうしようもないフェロモンで悩むのはオメガ、だって発情しちゃうんだもんというアルファ。攻めが制御できない理由が攻めの恋に対する踏ん切りの悪さ。
タイトルの意味は、オメガという得意な体質でも、普通の青春を楽しみたい、ただの発情と愛を取り違えた同性に脅かされる生活とはおさらばしたいという切実な思いが込められています。
アルファとオメガが織りなすラブストーリーを乱すのは、ベータでもあるというのは、興味深い。
何よりも、学園都市でありながら田舎(というか郊外の八王子)を思わせる舞台設定が、もしも世界がこうなっていたらという部分に説得力を与えます。

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ふゅーじょんぷろだくとのオメガバースプロジェクトには、コミックスの奥付部分に必ず参考文献が掲載されているのですね。
サイエンス・フィクションとしてオメガバースを押し出している感が満載です。
読書メーターで他のSFなBLに、SFは苦手と書いているBL好き多いのに、チャレンジャーだな、と思う反面、輸入されたジャンルとしてのオメガバースを強く意識させられます。
スタートレックスターウォーズなどでm/mを楽しんでいるスラッシャーの皆さんを感じるのでした。