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BL思考の種

BLlogiaの管理人がだらだら書くBL小説やBL漫画のレビュー

オメガバースはSFかファンタジーか?1『つがいの掟 ~オメガバース~』佐倉井シオ『兎は月を望みて孕む』雛宮さゆらネタバレレビュー

「海外発のオメガバースが日本でも受け入れられると思ってますか?」という趣旨のリプをTwitterで受け取って、BL界隈も内向きなのかな、と感じている昨今です。
海外=アメリカなどの英語圏なんだと思いますが。ギリシャが入ってない!
世界は広いぞ。BL好きの萌えも際限ないぞー。
オメガバースはファンタジーか、それともSFか? アメリカのm/mと日本のBLは違う歴史を歩んできたと思いますが、萩尾望都竹宮惠子など少女漫画で男同士の恋愛を書いてきた方々はSFも書いて成功を収めてきた歴史があります。
アメリカのm/mはスタートレックのカップリング論争が激しかったり、プロのSF作家が違うペンネームを使って書いていたという歴史があったようです。
BL漫画ばかり読んできて、BL小説にも手を出してみましたが、何だか違う歴史を歩んできたのではないかと疑問に思う時があります。
オメガバースSFかファンタジーか、ちょっと考えてみたいということで、1回目であります。

『つがいの掟 ~オメガバース~ (ビーボーイスラッシュノベルズ)』佐倉井シオ

つがいの掟 ~オメガバース~ (ビーボーイスラッシュノベルズ)

つがいの掟 ~オメガバース~ (ビーボーイスラッシュノベルズ)


「私の子を、孕めばいいのに」
財界を牛耳る一族の跡取りを父に、花街の女を母に持つ邦彦は、一族の広大なお屋敷の片隅でひっそりと生きてきた。
だが、両親が急逝し、それまで写真でしか知らなかった義理の兄、康晴に保護されることに。
ところが、康晴に会った瞬間、邦彦の体には異変が…熱くて太い男のそれで後孔を突かれたい、激しくぐちゃぐちゃにされたい…! 
交わった経験などないのに、心を無視して体が男を―康彦を狂おしいほどに求めはじめ…!?
佐倉井シオさんのデビュー作だそうです。
ちなみに、アルファ=「優勢種」、ベータ=「普通種」、オメガ=「無明」でした。なぜオメガだけが仏教用語なのか。
オメガだけが隔離された里で育った邦彦が康晴に会った途端、襲いかかって受けるという最悪の出会いです。
パラレル大正ロマンといった舞台設定です。
人々は人間が3種に分かれているとは知らず、知っているのは華族のような一部の上流階級。そこにはオメガ=無明愛好家というような人々もあり、権力争いもあり、男が妊娠するとは考えることもない世界で子供を産めるのかと騒動がありーの、初対面で襲い受けしてしまったがために(珍しい逆パターン)お互いに愛に目覚めるまでが長くなったりします。
オメガの邦彦の貴種流離譚などが味付け程度に加えられ、シンデレラストーリー的な決着になります。
また珍しく、攻めの康晴が女と結婚をして、二重生活になるというエンド。
さて、これはBLのジャンルわけでは大正ロマンになるのではないでしょうか? パラレルだけど。大正ロマンって、ファンタジー? それともSF?

『兎は月を望みて孕む (ラルーナ文庫) 』雛宮さゆら

兎は月を望みて孕む (ラルーナ文庫)

兎は月を望みて孕む (ラルーナ文庫)


薬師屋を営みながら星見の技を磨いている悠珣。星見としては未熟だが、二郎真君という神に溺愛されていた。
そんな悠珣は、発情期になると男たちを惹き寄せ愉悦を貪らずにはいられない癸種。そしてそれは甲種のつがいが現れるまで続くという。
ある年、新皇帝が即位した。金狼族の皇帝燁月は挨拶に訪れた悠珣を目にするなり運命の相手と見抜き、王宮に攫っていってしまう。
だが、子を孕める真のつがいとなるためにはある儀式が必要で……。
2014年デビューの5冊目だそうです。
甲種(アルファ)、乙種(ベータ)、癸種(オメガ)。十干の甲乙丙丁戊己庚辛壬癸を使用したんですね。
こちらも受けのオメガが住んでいるのは、辺境の街。そこからさらに人里離れたところに居を構えております。
発情しにくい弟分2人と師匠と住んでいるのですが、オメガとして成長してからは、村の衆とせっせと欲求不満を解消するためにがんばってしまうというベータはオメガに対して発情しても理性でどうにかするという部分はなく、村の因習でこうなってますという状態です。
さらに神様も絡んできて、世界について教えてくれたり、番いませんかと迫られたり。
番いになる方法を探すのは、オメガが少なすぎて、皇帝の周囲も知らないという状況。
もふもふなども盛り込まれ、体質ゆえにいろいろありましたが、晴れて妃になりましたというシンデレラストーリーなのか?
中華ファンタジーというくくりになるのでしょうか? 

小説のオメガバースはまだ少なく、何とも言えない。まだまだ続くよということで、ファンタジーかSFか、結論は出せません。
10回やっても、100回やってもいいから、納得ができる結論にたどり着ければいいや。
とりあえず、どちらの作品も、アルファ、ベータ、オメガの三種に独特な名前を当てていて、とても面白いですね。

英語圏から輸入された文化が日本のBLに取り入れられた時、どのような変化が起こるか?
オメガバースを受け入れようとしている現在を見ながら、みんなで考えようと思ってみました。
ファンタジーとSFの定義をしてない時点ですべるBL論となるでしょう!あーあ。

オメガバース、なぜオメガだけが大文字なのかと思ったら、狼の生態系の研究でもなぜか大文字なんですね。
ギリシャ語のWikipedia(発音やスペルの関係で Βικιπαίδία ヴィキパイディアって言うの)
Γκρίζος λύκοςの Ηθολογία にアルファ、ベータ、オメガの表記があります。
リンクのリンク。
f:id:paranoJP:20160525141024j:image
カッコに入ってるのは、さすがにアルファベットをアルファベット表記で読みを書いたもの。もう、何が何だかの説明。